インド、ビハール州ブッダガヤ
1月9日にブータンで行われた総選挙の結果を受けて、ダライ・ラマ法王は、次期首相となるツェリン・トブゲイ氏に書簡を送り、あたたかな祝福を捧げられた。書簡の中で、法王は次のように述べられた。
「私たちチベット人は、ブータンの人々と歴史を共有してきた関係にあります。私は、民主主義の価値観に全力で取り組んでいる者として、この数年間、先見の明のあるブータン国王のリーダーシップの下で民主的な統治がなされ、ブータンが称賛に値する発展を遂げるのを見守ってきました」
「今日、ブータンは伝統的な宗教と文化を守りながら、近代的発展の道を歩んでいます。貴殿の在任中も、これは堅固に続くことでしょう。ブータンとチベットの両国民は、チベット仏教という独特の形態を共有しています。この宗教的伝統は、単に信仰に基づいているだけでなく、人類全体に実際的な利益をもたらすことができるものです」
「仏陀のお言葉の翻訳である100巻から成るカンギュル(経典)と、仏陀に続く導師たちによる註釈書の翻訳である200巻を超えるテンギュル(論書)には、より平和な世界をもたらすために不可欠な心と感情のはたらきに関する豊富な知識が含まれています」
最後に法王は次のように述べて、書簡を締め括られた。
「ブータンと国民の幸福のために貴殿がなされるあらゆる努力が実りますよう祈りを捧げたいと思います」