インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
インドのナレンドラ・モディ首相の72回目の誕生日に、ダライ・ラマ法王はメッセージを送り、心からの温かいお祝いと健康を祈って次のように述べられた。
「インドはコロナウイルスによるパンデミックも克服しましたね。これは本当にすばらしいことです。確かに、まだ完全にこのパンデミックが終焉を迎えたわけではありませんが、今日のインドなら、将来同じような困難が起こったとしても、よりよい対処ができるからです」
「インドに最も長く滞在する客人として、私はこの目でインドの発展を見てきました。現在この国は、経済面でもめざましく成長し、科学技術の面でも全世界の牽引役的立場にあります」
「インドの堅固な民主主義の基盤は、平和と安定のよい模範です。世界の中でも国民の年齢層が若いということは、ここから更なる発展を可能にする貴重な宝の一つを持っているということであり、前向きな構想の達成につながります。私は、インドが世界の中で正当な位置を担っていることを嬉しく思います」
「私は、長年マハトマ・ガンジーが提唱してきたアヒンサー(非暴力)の伝統が、世界中で評価されていることに大きな称賛の気持ちを抱いています。私は可能な限りこの思想を広めるために尽力することに加え、私たちが皆、幸福で意義ある人生を送れるよう、カルーナ(慈悲の心)の力に対する認識を深める取り組みに専念していくことを改めてお伝えします。アヒンサーとカルーナ、これらの価値観は古代インドの伝統による宝です」
最後に法王は、この書簡を感謝の言葉で締めくくられた。
「繰り返しますが、この機会に、インド政府とインドの国民の皆さんに、私たちチベット人たちが1959年に亡命を余儀なくされてから受けとってきた、皆さんの温かく寛大なもてなしに対し、深い感謝の意を表明したいと思います」