インド、ラダック地方レー、シワツェル
ノーベル平和賞の受賞者で、北アイルランド初代首相のデービッド・トリンブル氏が25日に逝去したことを受け、ダライ・ラマ法王は、トリンブル夫人に書簡を送り、哀悼の意を表明された。書簡の中で、法王は次のように述べられた。
「トリンブル氏のご冥福をお祈りするとともに、貴方とご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます」
「ご主人は、北アイルランドに平和をもたらすという双方に有益な合意を見いだす努力において、勇気と展望と現実的なアプローチを示されました。対立する双方の問題を解決するには対話と交渉が唯一の道であると固く信じる者のひとりとして、私は、ご主人が聖金曜日協定(ベルファスト合意)注を実現する中で果たされた役割を和平調停の手本として考えてきました」
「幸運にも、私は北アイルランドやその他の地域で何度かご主人にお目にかかる機会があり、北アイルランドに平和をもたらすためになされたご尽力に対する私の賛辞を直接お伝えすることができました」
最後に法王は、次のように述べて書簡を締め括られた。
「私たちのだれもが人間という家族の一員であることを心に置いて、理解・和解・尊重の精神に基づいて相違の解決に取り組み続けるならば、それこそがトリンブル氏に捧げるにふさわしい賛辞となるでしょう」
注:北アイルランド紛争に関する和平合意。1998年4月10日に北アイルランドのベルファストにおいて、イギリスとアイルランドの間で締結された。復活祭の前々日の金曜日に締結されたことから、「聖金曜日合意」もしくは「聖金曜日協定」と呼ばれることが多い。