インド、ヒマーチャルプラデーシュ州ダラムサラ
ダライ・ラマ法王は、欧州議会の新議長に選出されたロベルタ・メツォラ氏を祝して、同氏に書簡を送られた。書簡の中で法王は、過去に欧州議会を訪れたときの歓待と、法王とチベット人に対するこれまでの支援に感謝を表明された。
43歳での議長就任は過去最年少であり、女性議長の就任は20年ぶりで3人目となることについて、法王は次のように述べられた。
「敢えて述べるなら、私は、女性は男性よりも他者の幸福について親身に考えることができると考えています。つまり、この世界をより平和なものへと導くには、女性のほうがふさわしいといえるかもしれません」
また法王は、欧州連合(EU)を称えて、次のように述べられた。
「EUは、さまざまな国家と国民が協同して平和的共存を果たす手本であり、世界中の国家が互いにより深く理解し合い、協力し合い、尊重し合うことが大切であるという信念をもつ私のような人々を勇気づけてきました」
「現在、この世界はいくつもの困難に直面しており、長期的な視点を持つリーダーを必要としています。私は今も、人間の争いの多くは和解の精神をもって対話を行なうことで解決できると確信しています」
さらに法王は、チベットについて次のように述べられた。
「実際、私が1988年にチベット問題の解決策を正式に提案したのも、この和解の精神に基づいて中国指導部と互いに有益な解決を図りたいと考えたからです。あのときに欧州議会を私の考えを示す場として選んだのは、真の統合はすべての当事者に満足のいくものであってはじめて自発的に生じるということを強調したかったからです」
書簡の終わりに、法王は再度、メツォラ氏に歓迎の意を表し、今後の成功を祈念された。