インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
北アイルランドの政治家でノーベル平和賞受賞者のジョン・ヒューム氏の死去に接し、ダライ・ラマ法王はヒューム夫人に宛てて書簡を送り、哀悼の意を表明された。書簡のなかで、法王は次のように述べられた。
「私は北アイルランドを幾度か訪問させていただきましたが、なかでも、ジョン・ヒューム氏にお目にかかることができたことは大きな喜びでした。ヒューム氏は、対話の力で争いを解決できることを深く確信しており、その信念が揺らぐことは決してありませんでした。1998年にイギリス政府とアイルランド共和国政府が北アイルランド和平合意を結ぶことができたのも、対話の力を信じていたヒューム氏のリーダーシップがあったからです。ヒューム氏の安定した粘り強さは、私たち全員が従うべき良き手本です」
書簡の最後に、法王は次のように述べられた。
「たとえどれほど時間がかかり、困難に思えることであったとしても、争いを解決するために平和と非暴力を貫くというヒューム氏の姿勢は、これからも人々の心のなかに生き続けることでしょう。ヒューム氏は、意義ある人生を送られたと思います」