インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
ダライ・ラマ法王は、インドのデリー首都圏(デリー準州)議会選挙においてアルビンド・ケジリワル党首が率いる庶民党(AAP)が勝利し、ケジリワル氏がデリー首都圏首相に就任したことを祝し、氏に書簡を送られた。そのなかで法王は、1947年8月のインド独立以来、インドの人々が活気に満ちた民主主義を享受してきたことへの称賛の念を表明された。
「貴殿の優れたリーダーシップの下で、デリーに住む人々は引き続き恩恵を受けることでしょう。2018年7月2日に、公立学校で実施される幸福のための教育カリキュラムの発足式典がありましたが、その際にも申し上げたように、貴殿ならびに貴殿の政党が、より良く、より幸せな心を持った人間を育てることを目指して努力してこられたことを心から称えています。こうした取り組みは、子どもの教育全般によい影響を与えるのみならず、貧しい人々の悲願である暮らしの向上を実現する助けとなるはずです」
「私は自身の使命として、基本的な人間性を高めることと、異なる宗教間の調和を促すことに加えて、心と感情の働きを理解するために、古代インド哲学の智慧を復興させることに取り組んでいます。それゆえに私は、デリー政府が率先して公立学校の教育カリキュラムに基本的人間価値を高めるという側面を取り入れられたことを高く評価しているのです。貴殿は、こうした取り組みを通してインドの人々に歩むべき道を示しておられます。インドは、古代インド哲学に基づく智慧と現代教育を結び合わせることにより、心の平和を維持する方法を人々に知らしめることのできる唯一の国家であると私は信じており、これは非常に大切なことです。インドの若者たちからも、こうしたカリキュラムを探求するにあたって好評を得ており、私はこれを希望と激励のしるしとして受け止めています」
最後に法王は、準州首相が前途のあらゆる困難を乗り越え、人々の幸福を強化する機会を得て、デリーの人々の願いを実現できるよう祈りを捧げられた。