インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
ダライ・ラマ法王は、20年以上にわたる隣国エリトリアとの国境紛争を終結に導き、平和と安定に向けて取り組んできたエチオピアのアビー・アハメド・アリ首相が2019年のノーベル平和賞を受賞したことを祝し、アビー首相に書簡を送られた。書簡のなかで、法王は次のように述べられた。
「エチオピアとエリトリアが成し遂げたように、隣国との友好関係を築くことは双方の国民のためになるだけでなく、同じように和平を目指している世界中の国々のよき手本となります。私自身もまた、東・北東アフリカの平和と安定に向けた貴殿の取り組みに勇気づけられています」
「平和的解決は、貴殿がエリトリアのイサイアス・アフェウェルキ大統領に連絡を取り、イサイアス大統領から前向きな姿勢と対話に入る意志を引き出したことによって実現可能なものとなりました。お二人は、『真の和解は、互いを尊重する精神において可能となる』という純然たる真実を、行動を通して示されたのです」
「また私は、貴殿が積極的に環境問題に取り組まれ、エチオピア全土で数百万人の国民が参加して3億5300万本以上の苗木を植えるなど、気候変動の影響に対策を講じておられることにも勇気づけられています」
書簡の終わりに、法王は次のように述べられた。
「私もまた、ノーベル賞委員会が望んでいるように、平和と安定を手にした大国エチオピアがさまざまな良き成果を得て、国家間や地域の人々の同胞精神を深めるにとどまらず、大陸全体のさらなる発展と繁栄を強化する力となることを願っています」