インド、マハーラーシュトラ州プネー
昨日の朝遅く、ダライ・ラマ法王は飛行機でガヤから中央インドを越えプネーへ移動された。プネー空港では、法王のご訪問の主催者であるマハーラーシュトラ工学教育研究アカデミー(MAEER)のマハーラーシュトラ工科世界平和大学(Maharashtra Institute of Technology World Peace University / MIT-WPU)と全国教員会議の代表者たち、そして地元のチベット人たちが法王をあたたかく出迎えた。
法王はMIT世界平和大学のキャンパスに到着されると、第2回全国教員会議の開会式が行われる大型テントへ案内された。まずインドの古典舞踊が披露され、第1回全国教員会議の成果に関する短編映画が上映された後、法王とその他の来賓たちが招かれ、法王は教育の鐘を鳴らされてからステージ上の席に着かれた。
最初にプネー市長ムクタ・ティラク氏からの簡潔な歓迎スピーチがあり、それに続いて、MIT世界平和大学学長で本大会の主催者であるラフール・カラド氏がインド各地から集まった教師たちと数人の海外からの参加者たちを歓迎した。そして全国教員会議の創立者であり、著名なインドの科学者でもあるアニール・カコドカル博士が教育に関する意見を述べた。
法王は、増え続ける多くの問題を抱えた今日の世界では、思いやりが必要であることを強調されてから講演を始められた。私たちは人間が作り出したさまざまな問題に直面しているが、その多くは私たちの感情が極めて不安定な状態にあり、心がかき乱されていることが原因となっている。法王は、医学者たちがリサーチの結果として、怒りが私たちの健康と幸福に害を与えているのは明白であると報告していることを指摘された。
「近代教育とみなされるものが西洋に現れた時、道徳的な価値を人々に教える役割は依然として教会の管轄でした 。しかし今日、現代教育は主に身体的な発達と物質的な目的に焦点を当てており、その一方で教会が人々に与える影響力は減少しています。その結果、この世界では倫理観が無視されるようになってしまったのです」
「現代教育は内なる精神的な価値にほとんど注意を払っていませんが、私たち人間の基本的な性質はやさしさと思いやりです。現代の教育システムに思いやりと心の温かさを取り入れて、より包括的な教育を行う必要があります」
開会式が終わると、 教育分野で優れた貢献をなした4名に、法王からジーヴァン・ゴウラフ賞(Jeevan Gaurav Puraskar Awards)が授与された。
その後、ダライ・ラマ法王はプネー空港へ直行し飛行機でガヤへ向かわれ、午後遅くにはブッダガヤに戻られた。