インド、ビハール州 ブッダガヤ
今朝のダライ・ラマ法王の日程は、チベット本土への帰途につく巡礼者たちへのお話から始まった。法王は「あなた方は亡命生活を送るチベット人たちのインスピレーションの源です」と話され、チベットの宗教的な伝統がいかに価値あるものであるか、それをよく勉強して揺るぎない理解を得ることがいかに大切であるかを語られた。そして、カーラチャクラの灌頂を授かるために訪れたにも関わらず、状況がそれを許さず、灌頂への参加が叶わないとしても、「心配は要りません」と彼らを勇気づけられた。そして次のように語られた。「チベット暦の13、14、15日、すなわち西暦11、12、13日にはブッダガヤでカーラチャクラの灌頂が行われていることを考えていてください。私が灌頂を授ける際、必ず皆さんのことを思い起こし、あなたたちにも灌頂を授与していると考えていますから、そうすれば間違いなく皆さんも灌頂による加持を受けることができるでしょう。釈尊の時代にも、事情があって直接授戒ができない時に、離れた場所から戒を授与されたことがあります」
法王は菩提心を生起する短い儀式を行なわれ、本土からの巡礼者に対して釈迦牟尼仏、観音菩薩、文殊菩薩、そして聖ターラー菩薩の真言の口頭伝授を行なわれた。
法王の安全をお守りするため、厳重な警戒体制が敷かれるなかを、法王はマハーボーディ寺院構内への短い道のりを車で移動された。寺院では、ガヤー県政務官のラヴィ・クマール氏とブッダガヤ寺院管理委員会事務局長のガンセイ・ドルジェ氏が法王を出迎えた。そして大菩提会(マハーボーディ・ソサエティ)の2人の僧侶が菩提樹とその下の金剛座へと法王をご案内した。そこから法王は、警察の上級指揮官であるガリマ・マリク氏とDIGのスバル・クマール氏に伴われ、寺院の周りの右繞を開始された。
そして寺院の扉に至り、堂内に入られた法王は、釈迦牟尼仏像に向かって礼拝後、床に座られた。そこで大菩提会の僧侶たちが『吉祥経』をパーリ語で唱え、続いて法王とナムギャル僧院の僧侶たちが、『三宝隨念経』、『縁起讚』、『ナーランダー僧院の17人の成就者たちへの礼賛偈』、『真実を語る太鼓として知られる釈尊への請願』、ジャムヤン・ケンツェ・チューキ・ロドゥによる『ダライ・ラマ法王の長寿祈願文』、『真実の言葉』、『一偈から成る法王の長寿祈願文』、『三宝の吉祥偈』を読誦した。
寺院の堂内から出られた法王は、再び大菩提会の2人の僧侶に伴われ、寺院の周りの右繞を完結された。法王は、途中で友人たち、支援者たちに挨拶されながら、靴を履いて寺院の門に続く階段を上られた。そしてナムギャル僧院ガンデン・ペルゲリン内の法王公邸へと車で戻られた。