インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州 ダラムサラ
4月18日、ダライ・ラマ法王は古いご友人のデズモンド・ツツ元大主教とご令嬢のムホ女史を出迎えられるため、カングラ空港に赴かれた。南アフリカの哲学概念であるウブントゥ(Ubuntu)という言葉は「他者を思いやる」ということであり、「みんなの成功があれば、私の成功がある」という意味である。この概念をより広く理解してもらうために、ツツ元大主教とダグ・エイブラムズ氏によって共同設立された新しい取り組みであるヒューマン・ジャーニー(Human journey)のメンバーたちが、ツツ元大主教親子とエイブラムズ氏に同行した。
|
喜びについて最初の対談をされるダライ・ラマ法王とデズモンド・ツツ元大主教。2015年4月20日、インド、ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル、法王庁) |
4月20日の朝、法王は法王私邸でツツ元大主教と、エイブラムズ氏の「喜びの書」(Book of Joy)をまとめる計画について対談をされた。これは、ツツ元大主教とご令嬢のムホ女史の共著である「許しの書」(Book of forgiving)をもとにしたものである。2人の精神的指導者は幸福や愛、慈悲に関わる喜びとは何かということについて探求され、大いに笑われた。ツツ元大主教は、出産時には大きな苦しみを伴うにも関わらず、母親は新生児を喜びとともに抱くことを指摘されした。ツツ元大主教が法王に、「問題に直面したときでも、どのようにすれば喜びを感じたままでいられるのでしょうか」と尋ねられると、法王はインドの偉大な仏教哲学者の言葉を引用されて次のようにお答えになった。「正しく状況を判断し、もし改善する余地があるならば、嘆く必要は何もありません。行動に移せばよいからです。もし改善する余地がなくても、嘆くことは何の役にも立ちません。」
法王とツツ元大主教、ヒューマン・ジャーニーのメンバーは子どもたちと交流するため、4月23日にチベット子ども村の学校(Tibetan Children’s Village 通称TCV)を訪問される予定である。