インド、カルナータカ州 ムンゴット
ダライ・ラマ法王をお乗せした車列は、カルナータカ州の田舎道を3時間ほど走り、風力発電の風車が優雅に羽を回しながら並び立つ印象的な風景の中を走り抜けてムンゴットのチベット人居住地へと進んだ。幹線道路を離れて脇道に入ると、チベット人や地元のインド人が法王をお迎えしようと道路脇に列を作ってご到着を待っていた。
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ガンデン・ジャンツェ学堂にご到着後、歓迎式典においてリン・リンポチェから敬意のしるしとしてカターを受け取られるダライ・ラマ法王。2014年12月22日、インド、カルナータカ州 ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル、法王庁) |
ガンデン・ジャンツェ学堂に到着されると、法王は、ガンデン座主のリゾン・リンポチェ、ガンデン寺シャルツェ学堂とジャンツェ学堂の法主、ゲルク派の高僧たち、今回の一連の法話の施主であるリン・リンポチェの出迎えを受けられた。
法王は、ジャンツェ学堂の本堂に入られ、三宝に五体投地をされた。そして法座の後ろに回られて、仏陀、ジェ・ツォンカパ、その弟子たちとご本尊の像に拝された。その途中、新旧のご友人にも挨拶をされた。「世界の六人の飾り」と「二人の至高の人」への祈願に続いて、ジェ・ツォンカパの『功徳の基盤』が読誦された。世界の六人とは、中観派の見解を確立されたナーガールジュナ(龍樹)とアーリヤデーヴァ(聖提婆)、唯識派の見解を確立されたアサンガ(無着)とヴァスバンドゥ(世親)、偉大な仏教論理学者のディグナーガ(陣那)とダルマキールティ(法称)を指し、二人の至高の人とは、律に精通されたグナプラバ(功徳光)とシャーキャプラバ(釈迦光)を指す。
法王は法座に着かれると、本堂に集まった弟子たちに向けて、次のようにお話しされた。
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ガンデン・ジャンツェ学堂でお話をされるダライ・ラマ法王。2014年12月22日、インド、カルナータカ州 ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル、法王庁)
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「ガンデン座主のリゾン・リンポチェ、僧院長や元僧院長の皆さん、そしてここにお集まりのすべての皆さんにご挨拶を申し上げます。本日は、お招きいただき、ありがとうございます。明日からたくさんお話ししなければなりませんので、今日のところは少しだけにしておきます。このところ、少々忙しくしていました。ローマから帰国したところですが、長時間の行事が続きましたので少し疲れました。こちらへ来る前にデリーで1,400人のロシア人の弟子たちに法話を行ないました。ロシア人の弟子たちの多くはあまり裕福ではありませんが、非常に勉強熱心で、法話を聴くためにはるばるインドまで来たのです。」
法王が、今回の法話のためにムンゴットに集まった人々の数をお尋ねになると、3万人くらいであることが明らかになった。法王は、他言語への通訳がFMラジオを通じて配信されることを確認されると、「今日はこれでおしまいです。また明日お会いしましょう」と笑顔で手を振られ、会場を後にされた。