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羽田空港で神奈川県仏教会に歓迎を受け、
短い面会をされるダライ・ラマ法王。2007年11月14日、日本、東京、羽田空港 |
東京(Phayul.com)
亡命中のチベット最高指導者、ダライ・ラマ法王は、日本の仏教団体の招聘を受け、9日間の滞在予定で本日早朝、日本に到着された。
法王は全日本仏教会及び神奈川県仏教会から、それぞれの団体の設立50周年と40周年を記念して招聘を受け、11月14日から23日まで日本に滞在される。
成田空港では、チベット人やモンゴル人仏教徒が列を成して歓迎する中、法王はダライ・ラマ法王日本代表部事務所職員らに迎えられた。
東京国際空港を後にした法王は、そのまま羽田空港に向かわれ、仏教団体の関係者らと短い面会をされた。現神奈川県仏教会会長の和田大雅氏は、「法王に日本までお越し頂き、非常に光栄であり、嬉しく思っております」と話した。
法王は、「私は日本に来るのが大好きです。あなた方にお招き頂き、こうして来日することができたことを非常に嬉しく思っています」と返答された。
「日本は物質的には非常に進歩しているのですが、多くの問題を抱えています。この点において、法王の精神的なお智慧をお借りして、我々を啓発して頂きたいと考えています」と和田氏が述べた。
これに対し法王は、「そうですね。物質的な発展だけでは人間の諸問題を解決するのは不可能と言ってよいでしょう」と答えられた。
また法王は、日本の仏教団体代表らとの短い談話の中で、異なる宗教間の平和的共存の重要性について強調し、他宗教への理解を更に深めるよう促された。
神奈川県仏教会副会長黒田氏も、法王を歓迎して羽田空港に同席していた。
来日期間中、法王は横浜とその他の都市で教育面及び宗教面での講演をされる予定である。11月20日にはパシフィコ横浜国立大ホールにて、神奈川県仏教会設立40周年を記念する祝典行事として、「信ずる心と平和」と題し、5千人超の聴衆に法話が行なわれる。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所の記録によると、法王が最初に来日されたのは1967年10月と早く、中国からの抑圧に抵抗したチベット民族蜂起が失敗に終わり、中国による不法占拠が始まった1959年に法王がチベットから逃れてから、日本はチベット、中国、インド以外に法王が訪問された初めての外国であった。
今回の訪問は、法王がアメリカで米国議会黄金勲章を授与されて以来、初めての外国訪問となる。前回の来日は、宗教団体からの招聘による昨年11月であり、今回の訪問は11回目の来日となる。
この数カ月間、中国はチベットの最高指導者による外国訪問に対し、猛烈に反対している。中国政府は、法王招聘は外国政府による中国への内政干渉であるとし、ダライ・ラマ法王が頻繁に海外訪問をすることを非難している。
通例とも言える中国政府からの反発をよそに、オーストラリア、ドイツ、オーストリア、アメリカ、カナダの政府高官らは、亡命中のチベット最高指導者と今年初めに公式面会を果たしている。
しかし、現段階では、今回の来日期間中に日本政府要人が72歳のノーベル平和賞受賞者と面会するという情報はない。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所は、今回の訪問は2つの大規模な仏教団体からの招聘によるものであり、日本政府関係者からの公式な面会予定はないと断言している。
中国は1951年よりチベットを支配しており、外国政府高官によるダライ・ラマ法王とのいかなる面会にも反発している。チベットの最高指導者は、チベットの独立ではなく高度な自治を求めていることを公式に発表されたが、中国政府は、ダライ・ラマは国家分裂を目論んでいるとして非難の姿勢を崩さない。 |