ダライ・ラマ法王14世日本公式サイト https://www.dalailamajapanese.com/ en-us ダライ・ラマ法王、「普遍的責任」と「慈悲」の精神が称えられグラミー賞を受賞 https://www.dalailamajapanese.com/news/20260202 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20260202 ダライ・ラマ法王の「Meditations: The Reflections of His Holiness the Dalai Lama(メディテーションズ ダライ・ラマ法王の考察)」が、グラミー賞最優秀オーディオブック、ナレーション、ストーリーテリング・レコーディング賞を受賞した。
受賞の知らせに、ダライ・ラマ法王は次の通り述べられた。

「このような賞をいただき、心からの感謝と謙虚な気持ちを持って受け止めています。私はこの賞を、個人としての栄誉とは考えていません。むしろ、私たちすべての人類が担っている “普遍的責任” への理解が広がった証として受け取っています。世界の平和、思いやりの心、環境への配慮、そして人類はひとつであるという認識こそが、地球上に生きる80億すべての人々の幸福に欠かせないものです。このたびのグラミーでの評価が、そうしたメッセージをより多くの人に届ける一助となるならば、これほどありがたいことはありません」

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ニューデリーのチベットハウスの弟子たちとの謁見 https://www.dalailamajapanese.com/news/20260116 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20260116 インド、カルナータカ州ムンゴット

昨日、ニューデリーのチベットハウス所長ゲシェ・ドルジェ・ダムドゥル師の弟子237名が、ダライ・ラマ法王との謁見に臨んだ。ゲシェ・ドルジェ・ダムドゥル師は、弟子たちについてその100名以上がインド出身でその他は世界各国の出身だと紹介し、ムンゴットには2026年1月8日から始まった10日間のリトリートに参加するために集まったと説明した。このリトリートは、デプン僧院ロセリン学堂科学瞑想センターでニューデリーのチベットハウスが主催する特別な洞察に焦点を当てたものである。

デプン僧院ゴマン学堂の問答場で、ダライ・ラマ法王に謁見するデリーのチベットハウス所長ゲシェ・ドルジェ・ダムドゥル師と10日間リトリートに参加した237名の弟子たち。2026年1月16日、インド、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王に謁見した後、弟子たちは、次のような偈頌で表されるような菩提心生起の短い儀式に参加した。


  • 私は三宝に帰依いたします
  • すべての罪をそれぞれ懺悔いたします
  • 有情のなした善行を随喜いたします
  • 仏陀の悟りを心に維持いたします

  • 仏陀・仏法・僧伽〔の三宝〕に
  • 悟りに至るまで私は帰依いたします
  • 自他の利益をよく成就するために
  • 菩提心を生起いたします

  • 最勝なる菩提心を生起したならば
  • 一切有情を私の客人として
  • 最勝なる菩薩行を喜んで実践いたします
  • 有情を利益するために仏陀となることができますように


続いて、釈迦牟尼仏を讃える次の偈頌とその真言を唱えた。


  • 巧みに慈悲より釈迦族に生まれ
  • 悪の勢力を打ち破って無敵となり
  • 雄大な黄金の山のようなお体を持たれた
  • 釈迦族の王、釈迦牟尼よ、私はあなたに敬礼いたします

  • オーム・ムニ・ムニ・マハームナイェー・ソーハー


その後、法王は集まった人々に向けて次のように語りかけた。

デプン僧院ゴマン学堂の問答場で、ニューデリーのチベットハウス所長ゲシェ・ドルジェ・ダムドゥル師が主催するリトリートに世界各地から参加した237名に向けて語りかけるダライ・ラマ法王。2026年1月16日、インド、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「仏教は雪国チベットの全土に広まりました。私はドメー(アムド)に生まれましたが、幼い頃から仏陀への一途な信仰心を持ち、ラサのチョウォ(釈迦牟尼像)にお目にかかりたいと強く願っていました。仏教教育の一環として、『量評釈』を熱心に学び、(1)対論者の主張を論駁する、(2)自説を主張する、(3)それに対する批判に反論する、という三つのプロセスに細心の注意を払いました」

「今日の世界には、様々な宗教的信仰体系、そのような信仰を持たない人々、そして宗教を批判する人々が存在します。『量評釈』に見られる分析ツールは、現代社会において非常に有用です。実際、仏教経典はただ盲目的に信仰に従うのではなく、検証と実験を重視しており、これは今日において非常に重要です。また、認識論と論理学に関するテキストに示された解釈も、私の思考を形成する上で非常に役立っています。対論者の主張を論駁して、自説を主張し、その自説に対する批判に反論するといった綿密な吟味のプロセスは、心の内に確信を育むのに役立ちます。真偽に関する私たちの論書に示された探究プロセスの本質的な目的は、心の平安をもたらすことです」

「北京を訪れて毛沢東に会った時、彼は私にとてもやさしく接してくれました。私は心の平穏が大切だと考えているので、そのことを彼に伝えようとし、彼もそれを喜んでくれたようでした」

「しかし最後に会った時には、宗教は毒だと毛沢東は言ったのです。私は黙っていましたが、心の中では “実は彼らのように共産主義こそ究極のイデオロギーだと主張することこそが毒なのだ!” と思っていました」

「仏教経典は現実のありようを探求する際は合理的なアプローチを取るよう説いていますが、これは非常に貴重です。私自身、自分の研究に分析を取り入れているため、現代の科学者と非常に良好な関係を築いてきました。これは科学者たちも評価している点です」

ゲシェ・ドルジェ・ダムドゥル師と、10日間のリトリートに参加した237名の師の弟子たちとの記念撮影に臨まれるダライ・ラマ法王。2026年1月16日、インド、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「インドに亡命して以来、私はこの国の様々な場所を訪れました。どこへ行っても、人々は私が仏教について語ることに関心を寄せてくれます。 私にとって最も重要なのは、心の平安を見つけることです。私は朝目覚めるとすぐに、どうすればすべての衆生に利益をもたらすことができるかを思い巡らします。そうすることで、心の平安、つまり心の静けさが得られるのです。ありがとうございました。」

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ダライ・ラマ法王のデプン僧院座主就任式と長寿祈願法要 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251224 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251224 インド、カルナータカ州ムンゴット

今朝、ダライ・ラマ法王は、デプン僧院座主就任式および、デプン僧院とラトゥー僧院が主催する法王の長寿祈願法要に臨席されるため、デプン僧院大集会堂(ラチ堂)へ向かわれた。ご滞在中のデプン僧院ゴマン学堂から大集会堂までの道のりをゆっくりと車で移動され、沿道に並んで法王を歓迎する数百人の人々に向かって微笑みながら手を振られた。法王の到着を告げるチベットホルンが鳴り響く中、大集会堂では僧侶たちがツォンカパ大師への礼讃偈である『ミクツェマ』を詠唱していた。学僧帽(パンディタ帽子)を被られた法王は、大集会堂の中央の通路を歩みながら、通路の両側に座した僧侶たちに微笑み手を振られた。ゲルク派管長であるガンデン・ティパ(ガンデン座主)が前に進み出て法王に歓迎の意を表し、法王は法座に着かれた。

ダライ・ラマ法王のデプン僧院座主就任式および、デプン僧院とラトゥー僧院が主催する法王の長寿祈願法要に臨席するため、デプン僧院大集会堂に到着された法王。2025年12月24日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:ザムリン・ノルブ / 法王庁)

ダライ・ラマ法王のデプン僧院座主就任式の冒頭、デプン僧院の創設者にして同僧院の最初の座主を讃える『ジャムヤン・チュージェ・タシ・パルデンへの礼讃偈』が唱えられる中、デプン僧院の現職の座主であるトクデン・リンポチェは、法王にマンダラと仏陀の身・口・意の象徴を捧げた。

次に、ツォンカパ大師の二大弟子のひとりであるケートゥプ・ジェが記された『梵天の声(パルデン・ユンテン)』として知られる詩的な祈願文が誦経された。この祈願文は、ツォンカパ大師が遷化され、ギャルツァプ・ジェがガンデン僧院の法座に着いた際、ギャルツァプ・ジェの博学な弟子たちの請願によって作られたものである。その後、デプン僧院座主が、デプン僧院全体のコミュニティからの感謝の印として、ジャムヤン・チュージェの尊像を法王に献呈した。ラトゥー僧院からは、僧院長と2人の元僧院長が歩み出て、法王が90年にわたり利他的な活動を通じて世界に利益をもたらされたことを称賛して法輪を捧げた。

就任式でデプン僧院全体のコミュニティから献呈されたジャムヤン・チュージェの尊像。2025年12月24日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

お茶と儀式用の甘いご飯が配られた。
デプン僧院座主のトクデン・リンポチェは、法王がデプン僧院の座主であることを宣言するデプン僧院の決議に関する説明を以下のように読み上げた。トクデン・リンポチェはまず、ツォンカパ大師がガンデン僧院を創設された際に白い法螺貝を掘り出されたことを想起し、後に大師が、弟子のジャムヤン・チュージェ・タシ・パルデンにその法螺貝を授け、自らも僧院を創設するように要請されたことに言及した。それ以来ジャムヤン・チュージェの法座は歴代のデプン僧院長によって継承されてきた。

さらにトクデン・リンポチェは以下のように続けた。
「1959年にインドに亡命された法王は、勉学の拠点であるチベット僧院をインドの地に再建され、仏陀の教えの灯を再びともされました。デプン僧院が創設された当時、法王はジャムヤン・チュージェとしての生を送っていらしたことを言明されています」

就任式において、ダライ・ラマ法王がデプン僧院の座主であることを宣言する決議の書面を読み上げる、デプン僧院現職座主のトクデン・リンポチェ。2025年12月24日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「私たちは法王猊下に、ジャムヤン・チュージェの黄金の法座に法王が就いてくださるようにお願いしました。猊下が私たちの請願を受け入れてくださったことに感謝いたします。法王猊下のご長寿をお祈りし、私たちが悟りを開くまで、幾生にもわたって猊下が私たちをお見守りくださるようにお願いいたします」

就任式に続き、法王の長寿を祈願する儀式は、釈尊から仏法を護持するように命じられた尊者たちである十六羅漢への請願から始まった。儀式の前段階として行われるマンダラ供養がデプン僧院座主によって行われ、続いてガンデン座主、シャルパ法主、ボン教のメンリ・ティジン・リンポチェ、デプン僧院ゴマン学堂僧院長、同僧院ロセリン学堂僧院長、歴代のデプン僧院座主、ロセリン学堂とゴマン学堂の歴代僧院長、および数人の施主が法座に歩み寄って法王のお加持を受けた。

次に、悟りを開いた方々のお身体を洗い、水を拭き取り、衣服を献上する儀式が行われ、同時に仏法が栄え、仏法を護持する方たちが長寿であるように請願された。

右手に剣、左手に弓を持ったネチュン神託官が駆け足で堂内に入ってきて、法王にマンダラと仏陀の身・口・意の三つの象徴を捧げ、愛情のこもった挨拶をした。そして神託官は、大集会堂の奥にある、悟りを開いた方々と精神的指導者たちのタンカ(仏画)に礼拝し、デプン僧院座主にカタ(儀礼の絹のスカーフ)を捧げた後、法王に向き合って着席した。

長寿祈願法要でダライ・ラマ法王に向き合って着席するネチュン神託官。2025年12月24日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

神託官は年配の高僧たちを招き、多色の紐で結ばれた複数の金剛杵を、法王とその高僧たち、そして神託官自身が手に持つことで、法王の長寿を祈願する儀式を遂行した。ツォク供養の供物が捧げられ、法王は象徴としてその一部を口にされた。

教えが興隆するための祈願文、特にツォンカパ大師の伝統の繁栄を祈る祈願文が誦経され、続いてジャムヤン・ケンツェ・チューキ・ロドゥ師が記されたダライ・ラマ法王の長寿祈願文である『不滅の甘露の旋律』が唱えられる中、供物を携えた僧侶、尼僧、施主たちの行列が大集会堂を通り抜けて会場を巡った。

デプン僧院座主が法王への讃辞と、法王が長くこの世に留まってくださることを請願する正式な文書を読み上げた。マンダラと仏陀の身・口・意の象徴、長寿の甘露が入った水瓶、そして長寿の丸薬の山が捧げられ、法王は一滴の甘露と一粒の丸薬を召し上がった。続いて、八吉祥宝、転輪聖王の七宝、八吉祥財の象徴が載った各盆が法王に献呈された。

大集会堂の外に並んだ、供物を携えた僧侶、尼僧、施主たちの行列。2025年12月24日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王の2人の家庭教師が詠まれたダライ・ラマ法王の広範な長寿祈願文『不滅の歌』が誦経され、施主たちが法座に歩み寄り、法王が加持を授けられた。十六羅漢への請願が再び為された。

法要が終わりに近づき、法王が参列者の請願である、仏法と有情の利益のために長くこの世に留まることを受け入れてくださったことへの感謝を込め、ラトゥー僧院の僧院長と元僧院長2名が感謝のマンダラを捧げた。
最後に『無量寿仏への祈願文』、『普賢菩薩の祈願文』からの七支分、『普賢行願讃』、『真実の言葉』、そして数多の吉祥の偈頌が誦経された。

法王は、法座の前と周囲に座した高僧たちに挨拶され、大集会堂を後にされた。扉の外に出られた法王は、いつもそうされるように、ベランダの端まで進んで中庭に座っている数千の僧侶たちに挨拶された。その後、法王は滞在先のデプン僧院ゴマン学堂内の法王公邸へと戻られた。

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デプン僧院でのガンデン・ガチュー法要 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251214 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251214 インド、カルナータカ州ムンゴット

今日、ダライ・ラマ法王はゲルク派全体の要請を受けてツォンカパ大師の御遷化を偲ぶガンデン・ガチュー法要(兜率五供養)に参加された。この吉日にあたりゲルク派吉祥文化協会(Gelugpa Buddhist Cultural Society)は、法王がゲシェ・ラランパと呼ばれる仏教学位最高位を正式に授与されてから51周年であることを祝して、法王に記念賞を授与した。

デプン僧院で行われたガンデン・ガチュー法要で、ダライ・ラマ法王に伝統的な供物を捧げるガンデン座主ロブサン・ドルジェ師。2025年12月14日、インド・カルナタカ州ムンドゴッド(撮影:ザムリン・ノルブ / 法王庁)

法王が法座に着かれると、ガンデン座主がカタと呼ばれる祝福や敬意を表す儀式用の絹布を法王に捧げた。経頭がツォンカパ大師の礼賛偈『縁起讃』を唱え、法王にお茶と果物が法王に捧げられると、次にツァリ・ツォク供養と呼ばれる顕教の伝統のガナチャクラ供養が捧げられた。続いて、ガンデン座主、チャンツェ法主、シャルツェ法主が三十七の供養材を積み上げた曼荼羅を法王に捧げた。ここで、会場の聴衆にお茶と儀式用の甘いご飯が配られた。

続いてガンデン僧院シャルツェ学堂長チャンチュプ・サンゲ師がゲルク派全員を代表して、法王に授与された記念賞の主旨を読み上げた。法王が90歳を迎えられ、世界中の数百万人の信者たちがこのめでたく吉祥な節目に注目している。そのため、ゲルク派吉祥文化協会は特別行事を開催するよう要請されていた、とサンゲ師は述べた。

ダライ・ラマ法王が仏教学位の最高位ゲシェ・ラランパを正式に授与されてから51周年を祝う記念賞を捧げ持つゲルク派吉祥文化協会の代表者。2025年12月14日、インド・カルナタカ州ムンドゴッド(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

昨年7月の法王90歳の誕生日から今年の91歳の誕生日までは「慈悲の年」として記念の一年とされている。この慈悲の年は、法王が1959年にラサでゲシェ・ラランパを受験されてから66周年、1974年に正式にゲシェ・ラランパを授与されてから51周年、インドにゲルク派大学試験中央委員会(Central Board Examination of Gelugpa Universities)が設立されて50周年にあたる。そして今日、法王はガンデン・ガチューの大式典を主宰されている。この吉祥なる機会に、ラダン・チュトゥル・モンラム・チェンモ・トラスト(Lhadhan Chötrul Monlam Chenmo Trust)とゲルク派吉祥文化協会を代表してガンデン座主、チャンツェ法主、シャルツェ法主が、新たに制作された金銀製のラランパ・ゲシェ賞の記念の盾を、感謝と敬意をこめて法王に献上した。

続いて、ダライ・ラマ1世ゲンドゥン・ドゥプ作のツォンカパ大師の礼賛偈『東方の雪を頂く山々の歌』と現ダライ・ラマ法王の二人の家庭教師の作となる法王の長寿祈願『不滅の詩』が唱えられた。さらに『ツォンカパ大師の教えが興隆するための祈願文』、『真実の言葉』、ツォンカパ大師作の『菩提道次第祈願文』が唱えられた。

デプン僧院の問答場で行われたガンデン・ガチュー法要の様子。2025年12月14日、インド・カルナタカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

式典がつつがなく終わりを迎え、ミクツェマの偈頌が唱えられる中、ガンデン座主、チャンツェ法主、シャルツェ法主、ならびにデプン僧院ゴマン学堂長とロセリン学堂長が、香とカタを手に、敬意をこめて法王を自室までお連れした。

この式典には、ガンデン座主ロブサン・ドルジェ師、チャンツェ法主とシャルツェ法主、デプン僧院の現僧院長と二人の元僧院長、デプン僧院ゴマン学堂長とロセリン学堂長、クンデリン・リンポチェ、チャンキャ・リンポチェ、リン・リンポチェ、セラ僧院、ガンデン僧院シャルツェ学堂、チャンツェ学堂、ギュメ僧院、タシルンポ僧院、セギュ僧院、ナムギャル僧院、ラトゥ僧院、他にも多くの現僧院長と元僧院長が参列した。彼らの他にも、一万人を超える僧侶、地元の代表者、南インドにある5つのチベット人居住区からのチベット人、ブータンやヒマラヤ地域の信者が数多く参加した。

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カルナータカ州のデプン僧院ゴマン学堂にご到着 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251212 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251212 インド、カルナータカ州ムンゴット

昨日、ダライ・ラマ法王は道沿いに並ぶ大勢のチベット人と外国人に見送られてダラムサラを出発され、空港でも大勢の人々に見送られながらデリーへと向かわれた。今日は、デリーからカルナータカ州フブリへと飛び、亡命の地に再建されたデプン僧院へと赴かれた。

フブリ空港に到着されたダライ・ラマ法王を出迎えるデプン僧院ゴマン学堂長ジグメ・ギャツォ師。2025年12月12日、カルナータカ州フブリ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

フブリ空港に到着された法王は、デプン僧院ゴマン学堂長ゲシェ・ジグメ・ギャツォ師、モンラム・ギャツォ上級行政官、中央チベット政権南インド担当代表ジグメ・ツルティム氏らの出迎えを受けられた。さらに、地元行政の代表であるフブリ・ダールワード県のティヴィヤ・プラブ氏、フブリ・ダールワード都市警察のN.シャシクマール本部長とマハニング・ナンダガンヴィ副警察委員長からも歓迎の挨拶を受けた。空港の外では、各僧院の座主たちと、五つのチベット人居住区の行政官たちが法王を出迎えた。

法王がデプン僧院のあるムンゴットへ車を走らせる道沿いには、カタと呼ばれる白いスカーフ、花、線香などを手にした数千人の人々が列をなして法王を歓迎した。その中には僧院からやってきた大勢の僧侶や尼僧の姿もあった。道路や居住地は、旗、歓迎のポスター、仏教の聖句が記された装飾などが飾られていた。

デプン僧院ゴマン学堂へと向かう法王の車列を出迎えようと道沿いに並ぶ地元の人々。2025年12月12日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

デプン僧院ゴマン学堂に到着された法王は、第105代ガンデン僧院座主ロブサン・ドルジェ師をはじめ、ガンデン僧院のチャンツェ法主とシャルツェ法主の両師、現職のデプン僧院座主と二人の前座主、デプン僧院の新旧学堂長、他の様々な僧院や機関から集まった座主やトゥルクたちの出迎えを受けられた。他にも、クンデリン・リンポチェ、リン・リンポチェ、亡命第一世代のバクサ出身の高齢の僧侶らも出迎えに参列していた。こうした仏教界の要人に加え、ダールワード警察のグンジャン・アリヤ本部長、カルワル県のラクシュミー・プリヤ副知事、カルワール警察のディーパン・M・N本部長、カルワール県行政評議会責任者のディリーシュ・シャシ博士、シルシ行政区長のカヴィヤラニ氏、ムンゴット郡長シャンカール・ゴウディ氏、中央チベット政権・最高司法委員会のテンジン・ルントク前最高裁判事も法王を歓迎して列席した。

法王はデプン・ゴマン学堂前の問答場から集会場まで歩いて移動され、そこで法座に着かれた。続いて、ガンデン僧院座主、デプン僧院座主、デプン僧院ゴマン学堂長、ムンゴットのチベット人居住区管理官が、一人づつマンダラと仏陀の身口意の象徴を法王に献上した。その間、会場では法王の二人の家庭教師によるダライ・ラマ法王長寿祈願『不滅の詩』が唱えられていた。

デプン僧院でダライ・ラマ法王の到着を待たれるガンデン僧院座主。2025年12月12日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

参加者にお茶と儀式用の甘いご飯が配られると、法王は次のように簡潔に述べられた。
「チベット人居住地のあるこの地は、チベットの南西に位置します。今日ここに、僧侶の皆さんが喜びと心からの思いをもって集っています。これは何を意味するのでしょう?それは、ナーガールジュナ(龍樹)を始めとする偉大な聖賢たちの説いた清浄な教え、すなわち顕教と密教の広大かつ甚深なる教えが、今なお、私たちチベット人によって守られ継承されていることを示しているのです。チベットにおいて直面した多くの困難にもかかわらず、チベットの人々は自らの宗教と文化に対する強い信仰と献身を保ち続けてきたということです」

「重要なのは、私たちチベット人が、雪国チベットの教えに強い責任感を持っているという点です。今日、チベット仏教はチベット人だけでなく、中国や世界の人々から、より一層の敬意をもって受け入れています。様々な背景を持つ人々がチベットの宗教と文化の価値を認め、理解を深めています」

「私たちは、仏陀の教えが繁栄するよう祈るだけでなく、仏法の学びと実践が生き続けるよう積極的に取り組んでいます。仏教への興味は特に若い人々の間で着実に高まっています。宗教としての仏教に興味を示さない人もいるかもしれませんが、仏教の学習法、熟考の仕方、内面的成長に関するアプローチ法に対する強い関心が高まっています。これを受けて私たちも、チベット仏教の教え全体への新たな取り組みをすべく努めています」

デプン僧院での歓迎セレモニーで聴衆に語り掛けるダライ・ラマ法王。2025年12月12日、カルナータカ州ムンゴット(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「仏教は、長きにわたり中国、チベット、ヒマラヤ地方の人々の間で共有されてきた信仰であり、その絆は深まり続けています。ダライ・ラマである私は、仏法を説き、多くの人々に伝えてきましたし、ヒマラヤ地方の人々は仏教への特に深い信仰心を持っています。また、チベット人は仏教教育の強固な基盤を守り続けてきました。その結果として、経典に基づく教えと実践に基づく教えの両方がヒマラヤ地域に広く伝わり、今も数えきれないほどの人々に恩恵をもたらし続けているのです」

「私は、仏教の実践的な面に関心を持つ科学者たちとの対話も重ねてきました。彼らは前世や来世などの話には興味を示しませんが、穏やかで規律ある心を通して内面的な平和を育む、といったテーマに関心を持っています。キリスト教徒が大半を占める国々でも、こうしたテーマへの関心が高まっています。私が海外を訪問すると、人々は私を温かく迎え、真摯に耳を傾けてくれます。そのおかげで、仏教の洞察に対する肯定的な評価が生まれています」

「かつてチベットでは、仏法は消滅の危機にありましたが、亡命した私たちは、仏法を守るため懸命な努力をしました。今日、科学者を始めとする多くの人々が仏教の見解、瞑想、倫理的な実践に注目しています。彼らとの交流を通じて、仏教には、心を訓練し内面の平和を実現するための独自の方法があることが明らかになりました。仏教の三乗の教えすべてが、私たちの伝統の中に完全な形で受け継がれ、保持されています」

「ヒマラヤ地方の人々は、仏法の教えへの深い信仰を持ち、中でもカルマや因果応報の教えに強い関心を持っています。私はダライ・ラマの称号を持つ者として、多くの指導の依頼を受けています。中国当局はチベットの仏法を根絶しようと試みてきましたが、チベット仏教の深遠な教えは、今や世界中でますます大きな関心を集めているのです」

「私たち修行者は仏法を守り継承していますが、科学者を始めとする他の人々が仏教の教えに興味を示してくださることは、大変心強いことです。見解(智慧)・修習(瞑想)・行為(戒律)の修行に根差し、身口意の三門を制御して内面の平和を修養する仏教の教えは、今や、宗教的実践をしていない人々の間でも、広く評価されています」

法王はこのように語られた後、ご自身が130歳まで生きるという予言と夢について話された。さらに法王は、出席者全員に向けて仏法を復興強化し、世界に利益をもたらすべく精進努力するよう聴衆を励まされ、ゴマン学堂長の案内で、問答用広場の上階にある自室へと戻られた。

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東南アジア・南アジアでの暴風雨被災者へ祈りを捧げる https://www.dalailamajapanese.com/news/20251202 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251202 インドネシア、スリランカ、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピン及び周辺地域における豪雨と暴風雨により、多くの尊い命が失われ、何百万人もの人々が深刻な苦難に直面していることに、深い悲しみを覚えます。
この自然災害により命を落とした方々のご遺族にお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りします。
また、被災地全域での救助・復旧活動が滞りなく進み、可能な限り多くの人々に慰めと安らぎをもたらすこと願っています。

祈りを込めて
ダライ・ラマ

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ビハール州首相への祝辞 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251120 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251120 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

ダライ・ラマ法王は、先に行われたビハール州議会選挙における国民民主同盟(NDA)の勝利を受け、ニティシュ・クマール州首相に書簡を送り祝意を表して次のように述べられた。

ダライ・ラマ法王とビハール州のクマール州首相。2023年12月21日、インド、ビハール州ブッダガヤ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「長年にわたり、私がビハール州、特にブッダガヤを訪問した際に受けた友情と惜しみないご厚意に、深く感謝しています。また、歴史あるナーランダーの伝統を通じて受け継がれてきた古代インド思想への理解と関心を広めるという私の取り組みに対しての継続的なご支援と励ましにも、心からお礼を言いたいと思います。ご承知のとおり、インドが長年培ったきた “カルナー(慈悲)” と、それに基づく “アヒンサー(非暴力)” の実践は、世界の人々にとって大いに励みになる模範となっています」

「近年、ビハール州は生活のあらゆる分野で著しい発展と繁栄を遂げてきました。こうした成果は、貧しく困窮する人々の生活を真に改善するものでるならば、より一層意義深いものとなります。これから直面されるであろう課題において、貴殿が引き続き成功を収め、ビハール州の人々の希望と要望に応えていかれることを祈念いたします」

法王は、祈りと祝福の言葉を添えて書簡を結ばれた。

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台湾の僧たちの『了義未了義善説心髄』詠唱 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251119 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251119 インド・ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

今日ダライ・ラマ法王は、法王公邸の謁見室で、台湾の鳳山寺、月稱光明寺、尼衆南海寺の3つの僧院から訪れた、180名を超える台湾の僧侶と尼僧に面会された。法王が着席されると、台湾の僧侶たちは中国語で法王の長寿祈願文を唱えた。続いて参列者を代表する5人の僧侶が、法王にマンダラと仏陀の身・口・意の象徴を捧げた。次に、台湾の僧侶たちは、ツォンカパ大師の『了義未了義善説心髄』(Drang Nges Legs Shey Nyingpo)をチベット語で暗誦した。

法王公邸で行われた法王への謁見の冒頭で、伝統的な供養を行う台湾から訪れた僧侶の代表者。2025年11月19日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

そこで法王は次のように述べられた。
「世界中の様々な伝統仏教の中でも、チベットで継承されてきた教えほど深遠なものは、おそらくないでしょう。そしてその教えの中でも『了義未了義善説心髄』は最も優れたテキストの一つです。私自身もこのテキストを全て暗記しましたが、最近は時々その一部を忘れてしまうことがあります。しかし、皆さんの詠唱を聴きながら、その意味を鮮明に思い起こし、特別な喜びを感じることができました。これは大変素晴らしいことで、今日、ここで暗誦してくださった皆さんに感謝します」

「時の経過とともにチベット国内の状況は著しく悪化しています。この地に亡命してからずっと、私は偉大な典籍の勉強を可能な限り続けてきました。そのための善き条件を整え、障害を取り除いてくださった法友の皆さんに感謝しています。先ほど申し上げた通り、私たちは世界で最も純粋に保たれた仏教の教えの蔵をチベットで守り続けてきたのです」

台湾の僧侶たちとの謁見で参列者に話をされるダライ・ダマ法王。2025年11月19日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「近年の中国においても仏教への関心は非常に高まっています。ですから、私たちがチベットで学んだ仏教の教えを、少しずつ中国語で中国本土に広めていくことができたら素晴らしいと思います。私たちチベット人は美味しい中華料理を味わってきたのですから、今こそ、私たちが長年学んできた、論理と広範な解説に基づくこの教えを、友人たちと分かち合う時ではないでしょうか。中国本土では多くの変化が起こっており、仏教に関心を抱く人々がとても増えています。本日は『了義未了義善説心髄』を暗誦できる台湾の皆さんにここでお目にかかれて、大変嬉しく思います。いずれ中国でも、この優れたテキストを教えたり学んだりする機会が必ず訪れることでしょう。皆さん、ありがとうございました」

謁見が終了し、台湾から訪れた僧侶との記念撮影に臨まれるダライ・ラマ法王。2025年11月19日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王は、テキストを暗誦した台湾の僧侶とその支援者たち、そしてモンゴル人の団体を合わせた合計250名一人ひとりと謁見された後、会場を後にされた。台湾の僧侶と尼僧たちは、ターラー尊への祈願文を詠唱して法王を見送った。

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ダライ・ラマ法王のチベットの精神的・世俗的指導者就任75周年記念式典 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251117 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251117 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

ダライ・ラマ法王がチベットの精神的かつ世俗的な指導者として全権を得た1950年11月17日から75年の節目となる今日、法王のご厚情に感謝の意を表すため6,000人を超える人々がツクラカンに集まった。

ダライ・ラマ法王のチベットの精神的・世俗的指導者就任75周年記念式典に出席するため、ツクラカンの中庭に到着された法王。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王が法王公邸の門に到着されると、本日の主賓である駐インド・チェコ共和国大使エリシュカ・ジゴヴァ氏、中央チベット政権(CTA / Central Tibetan Administration)主席大臣ペンパ・ツェリン氏、チベット亡命議会議長ケンポ・ソナム・テンペル氏、最高裁判所長官イェシェ・ワンモ氏、そしてタシ・ナムギャル氏、本日の式典の開催に尽力した複数のチベット学校の卒業生代表らが法王を出迎え、ツクラカン下にあるベランダの席まで案内した。チベットのパフォーマーたちも歌と踊りで法王を歓迎した。

ラッパが鳴り響く中、ペンパ・ツェリン主席大臣がチベット国旗を掲揚し、その後、チベット舞台芸術団(TIPA / Tibetan Institute of Performing Arts)のアーティストたちが、笛と太鼓の伴奏に合わせてチベット国歌、続いてインド国歌を斉唱した。最高裁判所長官、議会議長、主席大臣から、法王にマンダラ供養と仏陀の身・口・意の三つの象徴が捧げられた。この儀式は、タシ・ナムギャル師、インドの中央チベット人学校(CST / Central School for Tibetans)7校、ダラムサラのチベット子ども村(TCV / Tibetan Children's Village)、ムスーリーのチベタン・ホームズ・ファウンデーション(Tibetan Homes Foundation)ならびにインド、ネパール両国のチベット・デイスクールの卒業生代表24名によって繰り返され、法王は美しいカサルパニ観音菩薩像2体を捧げられた。

ペンパ・ツェリン主席大臣は、本日の行事を記念するチベット内閣(カシャク)の声明を、まずチベット語で、次いで英語で読み上げた。最初に、ダライ・ラマ法王がチベットの政治・精神両面での指導者としてチベット国家元首に就任されてから75周年というこの記念すべき日が、法王の90歳を祝う「思いやりの年」の一環としても祝われていると述べた。

雪の国チベットに統一された政治的帝国が初めて出現したのは、紀元前3世紀、初代チベット王ニャティ・ツェンポの治世であった。三人の仏教王の治世下、チベット帝国の勢力はアジア全域にまで及んだ。ソンツェン・ガンポ王の治世下、インドのグプタ文字に基づいてチベット文字が考案された。やがて、ナーランダー僧院の伝統から純粋な仏教の教えがチベットにもたらされた。この時期、チベットは中国の首都長安(現在の西安)に侵攻した。

ダライ・ラマ法王のチベットの精神的・世俗的指導者就任75周年記念式典で、チベット内閣の声明を読み上げるペンパ・ツェリン主席大臣。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

9世紀以降、チベット帝国は分裂したが、ドゴン・チューギャル・パクパの時代からガンデン・ポタンの樹立まで、モンゴル帝国(元)、中国の明朝と清朝の支配者とは「寺と壇家の関係(チュ・ユン)」が存在していた。

20世紀初頭、アムド地方はイスラム教徒の軍閥・馬歩芳の侵略を受けた。カム地方は清朝の総督・趙爾豐の侵略を受け、中央チベットはイギリスの侵略を受けた。中国で権力を掌握した国民党は、アムドとカムの一部を併合し、国境でチベット政府軍を繰り返し挑発した。1949年に中華人民共和国が成立すると、人民解放軍はアムドとカムの一部を占領、最終的にチャムドを占領してチベット軍を敗北させた。

このような状況下、当時15歳のダライ・ラマ法王はチベットの人々から指導者としての責任を担うよう懇願され、1950年11月17日、法王は政治の全権を得ることになられた。法王は、8年以上にわたり中国との交渉を試み、チベット人に課された17か条協定の枠組みの中で、チベット人の生命を守り、チベット独自の宗教的・文化的遺産を守ろうと尽力されてきた。しかし残念ながら、1959年、中国の容赦ない侵略に直面し、インドへの亡命を余儀なくされた。

聖地インドに到着した法王は、17か条協定を否定し、無効であると宣言された。さらに1970年代には、中国チベット紛争の解決に向けて「中道のアプローチ」を提唱され、これはチベット中央政権が現在も採用している政策である。

ペンパ・ツェリン主席大臣は、法王が四つの使命(人間価値(世俗の倫理観)の促進、異なる宗教間の調和、古代インドの智慧の活用、チベットの生態系と文化の保護)を成し遂げるためにたゆまぬ努力を続けておられることを、偉大な菩薩として称賛した。そして、「この喜ばしい機会に、偉大なるダライ・ラマ法王14世の長寿と、未来永劫にわたってその啓発的な活動の継続を、心からお祈り申し上げます」と宣言した。

チベット亡命議会を代表して声明を発表するケンポ・ソナム・テンペル議長。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

亡命チベット議会を代表して声明を発表したケンポ・ソナム・テンペル議長は、法王が1954年に中国を訪問し、中国の指導者と会談されたことに言及した。1956年、法王は2500年仏陀生誕祭に出席するためインドを訪れると、そこでインドの指導者と会談し、特にインドの活気ある民主主義体制を高く評価された。チベットに戻ると、1959年、大祈願祭(モンラム・チェンモ)中にゲシェ・ラランパ(仏教哲学博士)という最高位の学位の試験を受けられた。1959年3月17日、ラサの状況がますます危険になり、法王はノルブリンカ宮殿を抜け出し、ラサから脱出された。

インド亡命中、法王は、僧侶と尼僧が学問を再開し、僧院生活を送れる環境の再構築に尽力するとともに、子供たちが現代的なカリキュラムとチベットの伝統を融合させた方法で教育を受けられる学校を企画・設立された。また、チベット亡命議会の設立にも尽力し、心の本質や内なる平和の達成について、現代の科学者たちと実りある議論を重ねられた。

亡命初期に、法王は国連に支援を要請され、その後、チベットの状況を評価するために事実調査団をチベットに派遣された。対話による問題解決という法王の決意に従い、代表団は中国当局と9回にわたる協議を行ったが、成果は得られなかった。議長は、法王のご存命中にチベット問題を解決するよう中国政府に呼びかけ、最後に法王に心からの感謝の意を表した。

記念式典でスピーチをする元学生組織委員会のタシ・ナムギャル委員長。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

続いて元学生組織委員会のタシ・ナムギャル委員長が、法王が亡命先で共に過ごしたチベット人たちへの深い思いやりについて述べた。法王は教育を非常に重要視し、最初のチベット亡命学校をムスーリーに設立するよう奨励し、自らの資金で支援された。チベット人のための中央学校の設立により、チベットの子供たちは、数学などを含む現代的なカリキュラムを受けながら、自分たちの言語、歴史、そして宗教的伝統を学ぶことができた。

法王は妹のツェリン・ドルマ氏に、孤児となった多くのチベットの子供たちの世話をするために、ダラムサラにチベット子ども村を設立するよう勧められた。法王庁は、チベット人居住地に設立された多くの学校に資金を提供した。法王は、子供たちの様子を見るためにこれらの学校を自ら訪問し、通常親から受けるはずの心配りを子供たちに示された。

総括として、タシ・ナムギャル氏は、チベットの子供たちはほぼ完全な識字能力を獲得し、やがて責任感のある貢献者としてチベット社会の一員に成長したと述べた。

記念式典で感謝の記念品を贈呈されるダライ・ラマ法王。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

続いて、法王に、智慧の灯火に照らされる開いた本を掲げる両手を模した金銀製の感謝の記念品が贈呈された。これもまた、法王の限りない思いやりへの深い感謝を表して捧げられた。

さまざまなチベット学校からの卒業生たちが、法王への感謝を表すために特別に作られた歌を嬉しそうに歌った。

自分たちで作った法王への感謝の歌を歌う、さまざまなチベット学校からの卒業生たち。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ / 法王庁)

主賓である駐インド・チェコ大使のエリシュカ・ジゴヴァ氏は聴衆に語りかけた。
「指導力とは何でしょうか?皆さんも、優れた指導力が必要だという点に同意されると思います。世界のいくつかの地域で指導力が失われつつあるのを目の当たりにすると、75年前にダライ・ラマ法王がチベットの精神的・世俗的指導者に就任されたことを祝うこの式典は、特に意義深いものとなっています」

「卒業生たちが法王への感謝の気持ちを表す様子に心を打たれました。また、若きダライ・ラマが困難な状況下で国家と国民の責任を担い、9年近く後にチベットを去らなければならなかったことにも思いを馳せました。何千人ものチベット人が法王に従い、彼らの幸福を願われた法王は、1960年、学校設立に着手されました。ここには、これらの学校の卒業生だけでなく、今もそこで学び続けている子供たちもいます」

「今年の4月にムスーリーのチベタン・ホームズ・ファウンデーションを訪問し、子供たちが十分な教育を受けているだけでなく、手厚いケアを受けている様子を目にしました。驚くべきことに、これら亡命3世の子供たちは、流暢にチベット語を話します。チベット国民の未来のために、私たちの精神的指導者の長寿を祈ります。“私たちの” と言うのは、法王が私たち全員を導いてくれるからです」

「チェコ大使として、もう一つ付け加えておきたいことがあります。11月17日はチェコにとっても重要な日です。1989年のこの日、ビロード革命が始まりました。40年続いた共産党政権は平和的に打倒され、ヴァーツラフ・ハヴェルが自由なチェコスロバキアの初代大統領となりました」

記念式典でスピーチが終わり、チベットと法王に関する書籍の出版を発表する主賓の駐インド・チェコ大使エリシュカ・ジゴヴァ氏。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ / 法王庁)

「我々の大統領がダライ・ラマ法王をチェコスロバキアにお招きしたのは、自身の指導力にとって法王のご臨席が重要だと感じたためです。法王とヴァーツラフ・ハヴェルの友情は、チベットとチェコ共和国の間に非常に重要な絆を築きました。すべての人々の平和、自由、そして繁栄を祈ります。ありがとうございました」

次に、ジゴヴァ氏は、ロブサン・ジンパ・ナムペルツァン著『Tibet’s History and the Legacy of His Holiness the Fourteenth Dalai Lama(チベットの歴史とダライ・ラマ法王14世の遺産)』という書籍の発表に招かれた。

記念式典で感謝の辞を述べる内閣書記兼中央ゴトン組織委員会委員長のツェギャル・チュキャ・ダニ氏。2025年11月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

内閣書記かつ中央ゴトン組織委員会委員長のツェギャル・チュキャ・ダニ氏は合掌し、この場を与えてくださった法王に深く感謝の意を表した。また、主賓の感動的なスピーチ、そして主席大臣と議長の心温まる言葉にも謝辞を述べた。さらに、来賓や列席した人々、特にインド、ネパール、ブータンのチベット学校卒業生の来場にお礼を伝え、最後に、報道関係者や舞台裏で尽力したすべての人々へ謝意を表した。

法王は、左右に集まった人々に微笑みかけながら中庭を歩いて退場し、法王公邸の門でゴルフカートに乗り戻られた。一方、中庭では、昼食の時間まで人々が歌い踊り、祝賀行事が続いていた。

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アイルランド大統領への祝辞 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251112 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251112 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

ダライ・ラマ法王は、アイルランド大統領に就任したキャサリン・コノリー氏に書簡を送り、次のように祝意をの述べられた。

「世界が大きな試練に直面するこの困難な時代において、長きにわたる公職のご経験は必ずや役立つことでしょう」

「今回の選挙が貴女の功績を称えるものであることに加え、アイルランドが再び女性大統領を選出されたことを大変嬉しく思っています。ご承知のとおり、思いやりに関しては女性が他者の感情に敏感であるという科学的証拠もあります。もし我々のリーダーの中に女性がさらに多くいたならば、世界はより寛容で平和になるであろうと私は信じています」

法王は次のように書簡を締め括られた。
「アイルランド国民の希望と願いを実現するにあたり、これから直面されるであろう課題において、貴女があらゆる成功を収められることをお祈り申し上げます」

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モン・タワンの人々によるダライ・ラマ法王の長寿祈願法要 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251111 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251111 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

今日、会場となるツクラカンの中庭は豪華な花々であふれていた。法王公邸の門からツクラカン階下にあるベランダの玉座まで吉祥模様の赤い絨毯が敷かれ、その上に花びらが蒔かれていた。中庭には、モンパの伝統衣装に身を包んだ約550名の人々が座っていた。

モン・タワンの人々による長寿祈願法要に出席するためツクラカン中庭に到着されたダライ・ラマ法王。2025年11月11日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王が門に到着されると、主催者である全モンパ学生連合(All Monpa Students‘ Union)とモンユル青年会(Youths of Monyul)のメンバーが代表の僧侶ガワン・ノルブ師に率いられて法王に挨拶をした。法王は、通路入口の花のアーチから広場中央まで歩まれ、法王のご長寿と幸福を願う人々に微笑みながら手を振られた。会衆は優しい歌声で法王を歓迎した。

法王が着席されると参加者にもお茶が振る舞われ、法王のために十六羅漢の偈頌に基づく長寿祈願文が唱えられた。ツォクと呼ばれる供物が捧げられると、法王はそれを一口取って召し上がった。続いて、経頭が法王に長寿祈願のマンダラ供養を捧げ、テンドゥン文化保存協会(Tendhon Cultural Preservation Society)会長で僧侶のガワン・ノルブ師もマンダラ供養と身口意の象徴を捧げた。

『不滅の歌』― 法王の二人の家庭教師によるダライ・ラマ法王長寿祈願 ― が唱えられる中、主催者のメンバーが法王の近くに進み出て加持を受け、その傍では供物を手にした人々の列が進み出ていた。

法王は聴衆に、次のように述べられた。
「私は先代ダライ・ラマの転生者として認定され、主にリン・リンポチェから学びつつ、他の方々からも教えを受けました。私はチベットのアムド地方に生まれましたが、困難な状況下でインドに辿り着いてからは世界中の様々な国を訪れ、人々から喜びをもって迎えられました。そして教えと衆生利益のために生涯の大半を費やしてきました。インドに来てからの日々、常に私は仏の教え、そしてチベットの人々のことをいつも心に留めています。また私はブッダガヤを始めとするインドの仏教聖地を巡り、チベットから来た仏教徒たちの利益に貢献していますが、いずれは中国の仏教徒たちに対してもそうできるだろうと感じています」

ツクラカンの中庭で行われた法王の長寿祈願法要にて、聴衆に語りかけるダライ・ラマ法王。2025年11月11日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「私はずいぶん高齢になりましたが、とても健康ですので、教えを伝えることができます。真の意味で、仏教の教義を伝え、それを信じる人々に奉仕する機会に恵まれ続けています」

「チベット、ラサのノルブリンカ離宮を後にした時、私は教えと衆生のため、特にチベットの人々のために祈りました。ツァンポ川を渡った時は悲しい気持ちでいっぱいでしたが、渡し守たちが『今はラサを離れるかもしれませんが、悲しまないでください。チベットの宗教と政治のためになさった善行は、どこにいようと無駄にはなりません』と慰めてくれました。なんという心優しい人たちでしょう。私の心は元気を取り戻し、ついにインドに辿り着きました。その後、インド国内の様々な土地、さらには世界各地を訪れることになりましたが、私は常に純粋な動機を保ち続けてきました。どんな時も心を純粋な動機だけに集中させ、肉体的にできることはできる限り行いました。私が純粋な動機から逸脱することはありませんでした。肉体的な困難に直面することもありましたが、どんな場面でも努力をし、目の前の困難に勇気をもって立ち向かいました」

「旅のおかげで、私の名は広く知られることになりました。仏教の教えを伝えることで、大勢の人々に少しはお役に立てたと思っています。私は、懸命に努力をしてきましたが、これからもそうするつもりです。初めてインドに到着した時、人々は私を見て喜んでくれました。それは今も変わりません。どこに行っても、人々は私を見て喜んでくれます」

「モン・タワンの皆さんはここに来て、私のために心から長寿祈願をし、観音菩薩に願いをかけました。この祈願は私への信仰と信頼の証しです」

「私は朝起きてから夜眠りにつくまで、そして眠っている間も、“私を信じる人々に仏陀のご加持がありますように”と祈ります。このようにして私は、衆生と教えに利益があるよう、変わることなく祈り続けています」

長寿法要にて法王の言葉に耳を傾けるモン・タワンの人々。2025年11月11日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「今日、皆さんが信仰に導かれてここに集まってくださいましたことに感謝します。私たちがここまで唱えてきた祈りに加え、観音菩薩、文殊菩薩、ターラー尊の真言を口伝したいと思います」

法王は、まず最初に、観音菩薩の祈願文を唱えられた。


  • 美しく清らかな白きお身体は一点の汚れもなく
  • 正等覚者仏陀の頭荘厳を戴き
  • 慈悲の御心で衆生をご覧になる
  • 観音菩薩に礼拝します


法王は、観音菩薩とチベットの人々の特別な絆について述べられると、聴衆に向かって、法王に続いて観音菩薩の真言 “オーム・マニ・ペーメ・フーム” を三回唱え、さらにこの真言を法王と一緒に数珠一周分唱えるよう言われた。

次に法王は、文殊菩薩の祈願文を唱えられた。


  • 若きお姿を顕し
  • 世界の闇を晴らす
  • 偉大なる智慧の灯の光
  • 文殊菩薩に礼拝します


「私たちには、他者を利益したいという純粋な動機があるかもしれません」と法王は述べられた。「しかし智慧に根差した洞察力がなければ、何が役に立ち、何が役立たないのかを本当の意味で知ることはできません。智慧があれば現実の意味を分析できます。慈悲が智慧と結びつくことは、自分にとっても他者にとっても、何よりも素晴らしいことです」

モン・タワンの人々による法王の長寿祈願法要の様子。2025年11月11日、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「私の場合、心が明晰なのは、私が文殊菩薩の真言を唱えてきたおかげだと思います。今でも、子供たちがやって来ると、私は彼らにこの真言を教えています。この真言を唱えると、分析的で明晰、迅速、深遠かつ論理的な智慧が得られます」

最後に法王は、ターラー尊は悟りを開いた者たちの徳行と八つの恐怖からの守護を体現している点において、他のどの本尊とも異なると述べられた。そして、法王の後に続いてターラー尊の真言を三度唱えるよう聴衆に言われた。

会長をはじめとする全モンパ学生連合から法王に、長寿祈願を受け入れてくださったことへの感謝のマンダラが供養された。続いて、一偈の長寿祈願と『真実の言葉の祈り』が唱えられた。

参加者全員が、法王の玉座に近づいて加持を受けるための列に並ぶ傍らで、様々な歌手が法王の長寿を願う感動的な歌を披露した。法王が公邸に戻られた後も人々は中庭にとどまり、喜びに満ちた祝賀の詩を歌い続けていた。

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ダライ・ラマ法王の長寿祈願法要 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251031 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251031 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

今朝、ダライ・ラマ法王が法王公邸の門に到着されたとき、さわやかな秋の空気が漂い、頭上には澄み切った青空が広がっていた。本日の長寿祈願法要を主催するタンロプ・コミュニティの代表者たちが法王を出迎え、法要会場のツクラクカンまで先導した。タシ・ショルパの踊り手たちが踊りを披露し、民族衣装をまとった女性たちが歌を捧げて法王を歓迎した。

長寿祈願法要に出席するため、ツクラカンに向かわれるダライ・ラマ法王。2025年10月31日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

本日の祈願法要は、タンロプ・コミュニティによって現在執り行われている “グル・ブムツォク”(グル・パドマサンバヴァ(蓮華生)への十万回のツォク供養(集団的な儀礼修法))の一環として行われた。この儀軌はチベット暦の10日目に当たる明日、頂点を迎える。この祈願供養の積集に加え、主催者たちは法王公邸の塀を伝統的な色彩である、白と赤茶色に塗り直した。

堂内では、ガンデン僧院シャルツェ学堂僧院長、デプン僧院ゴマン学堂僧院長、ギュトゥ僧院長、ガンデン座主、シャルパ法主、ナムギャル僧院長、タムトク・リンポチェ、そしてラギャラ・リンポチェの若き転生者が法王を歓迎した。本日、タムトク・リンポチェは、ダライ・ラマ5世が著された無量寿仏の長寿の儀軌の導師として、約3千5百人の参列者を先導する。タムトク・リンポチェの右側にはナムギャル僧院の金剛阿闍梨が、左側には同僧院の前金剛阿闍梨が着席した。

ダライ・ラマ法王の長寿祈願の儀軌の導師を務めるタムトク・リンポチェ。2025年10月31日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

儀軌の途中でタムトク・リンポチェは、彩色された絹布を巻きつけ、鏡で飾られた長寿の矢を取り上げ、善き成就を集める所作として、自身の前方の空間で矢を動かした。その後、タムトク・リンポチェはその矢を法王に渡し、法王も同じ所作を繰り返された。

三人の僧侶が法王に、ツォクの供物を載せた大きな皿を捧げ、法王はその一部を受け取って召し上がった後、差し出された甘露に指を浸して口に運ばれた。

長寿祈願法要で行われた法王へのマンダラ供養。2025年10月31日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

タムトク・リンポチェは主催者代表と共に、法王にマンダラ及び仏陀の身・口・意の象徴、長寿の水瓶と長寿の丸薬を捧げ、法王は少量の甘露と丸薬を口に運ばれた。そして、長寿にまつわる様々な色のトルマ(チベット人の主食であるツァンパで作った儀式用の菓子)のセットが法王に献上された。続いて、八吉祥宝、転輪聖王の七宝、八吉祥財の象徴が載ったそれぞれの盆が法王に捧げられた。

ガンデン座主のジェツン・ロブサン・ドルジェ・リンポチェ、シャルパ法主のジェツン・ンガワン・ジョルデン・リンポチェ、及び主催者の代表たちが仏陀の身・口・意の三つの象徴をそれぞれ法王に捧げた。その間会場では、ジャムヤン・ケンツェ・チューキ・ロドゥ師が記された『不滅の甘露の旋律―最勝なる勝利者であり、全智なる方―ダライ・ラマ法王14世の長寿祈願文』の読誦が行われていた。

法王の長寿祈願法要で法王に供物を捧げるタンロプ・コミュニティのメンバー。2025年10月31日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

ツクラカンの中庭の奥まで延びたタンロプ・コミュニティのメンバーの行列が、仏像や経典などの供物を捧げ持って堂内を巡った。行列の最後尾にはチベットの旗と、白い衣をまとった老人が続いた。法王の2人の家庭教師が詠まれた『不滅の歌―ダライ・ラマ法王の広範な長寿祈願文』が誦経された。

堂内の端に立つ3人の若者が、ダムニェンとギターを伴奏に、法王の長寿を願う現代風な歌を披露した。

法王の長寿を願う歌を披露する3人の若者。2025年10月31日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ / 法王庁)

最後に、法王が長寿の請願を受け入れてくださったことへの感謝を込めて、感謝のマンダラが法王に捧げられた。そして主催の代表者たちが法座に近づき、法王のお加持と儀礼用のスカーフ(カタ)、そして守護の紐を授かった。

締め括りの祈願の中には、アティーシャ全集に収められた『教えが興隆するための祈願文』が含まれていた。しかし、アティーシャはこれを『月の経典の心髄』の中に見出されたと言われている。続いて『真実の言葉』と、法王の長寿を祈願する、広く知られた以下の短い長寿祈願文が詠唱された。


  • 雪山に周りを囲まれたこの浄土には
  • すべての利益と幸福のすべてが生じる源である
  • 観自在菩薩の化身テンジン・ギャツォ法王がおられる
  • 法王の御足の蓮華が何百刧もの間健やかにとどまられますように


 

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高市首相の選任を祝福 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251022 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251022 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

「世界が大きな試練に直面する今、日本の歴史におけるこの重大な局面で国をリードするにあたり、これまでの数十年にわたるご公務の経験がきっと大いに役立つことでしょう。日本は、核兵器による攻撃で計り知れない苦しみを経験した歴史を持つ国として、世界平和の構築に一貫して積極的に取り組んでこられました。また、核軍縮の力強い提唱者でもありました。特に、世界各地で不確実性や混乱が広がる時代だからこそ、対話と外交を通じて問題を解決するための協調的な努力が極めて重要となります」

「ご自身の功績に加え、日本が初の女性首相を選出したことを大変喜ばしく思います。私は、女性がより思いやり深く、他者の感情に敏感であると信じています。この資質は、私自身の愛情深かった母から初めに学んだものです。思いやりに関して言えば、女性のほうが他者の痛みに敏感であるという科学的根拠もあります。ですから、我々の指導者にもっと女性がいたならば、世界はより寛容で平和な場所になるだろうと、私は固く信じています」

「日本と世界がより幸せになるために、これから直面するであろう様々な課題や機会において、首相が成功を収められるよう願っています」

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第39回 心と生命の対話 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251017 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251017 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

今週、ダラムサラで「第39回心と生命の対話」が開催された。120名を超える科学者、学者、瞑想実践者、ビジネスリーダー、政策立案者などが、ダライ・ラマ法王公邸下のダライ・ラマ図書公文書館の建物に集まり、心の本質と人工知能(AI)の可能性と課題について考察した。チベットの教育機関や文化機関からのゲストも参加した。

心と生命研究所(Mind & Life Institute)と同研究所ヨーロッパ支部(Mind & Life Europe)、そしてダライ・ラマ基金の共催で開催された本イベントについて、ダライ・ラマ基金事務局長、そしてダライ・ラマ図書公文書館長であるジャンペル・ルンドゥプ氏が次のように紹介した。

この対話は、ほぼ40年にわたるこれまでの対話と同様、東洋の智慧の伝統と西洋の発見に橋を架けるという法王のビジョンに触発されたものである。1987年に開催された心と生命の初会合は、現在では世界的なプラットフォームとなっている基盤を築いた。心と生命研究所は、神経科学、物理学、宇宙論、生物学、そして瞑想の智慧といった専門知識を持つ仏教学者と科学者を集めてきた。脳、心、そして倫理の間には関連性が確立されており、研究所の活動は、僧侶や尼僧たちに、伝統的なカリキュラムに加えて科学の学習を取り入れるきっかけを与えてきた。

心と生命研究所の理事長トゥプテン・ジンパ氏は、開会の辞の中で、この対話は、ダライ・ラマ法王の90歳の節目かつ、この記念として「思いやりの年」とされた期間に行われており、修行の供養とみなすことができると述べた。

ダライ・ラマ図書公文書館で開催された「第39回心と生命の対話」で開会の辞を述べる心と生命研究所理事長のトゥプテン・ジンパ氏。2025年10月14-16日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:心と生命研究所)

最初の対話は、チリの優秀な科学者フランシスコ・ヴァレラ氏と起業家アダム・エングル氏によって企画された。彼らは科学者を法王に送ることで、法王が科学への関心を追求できる場を提供し、仏教と科学という二つの探究的な伝統が互いに知り合う機会を創り出した。

ジンパ氏は、法王が科学者と交流する際には二つの大きな目的があると述べた。一つは、科学的探究の地平そのものを広げ、物質的な枠組みを超えることである。法王は、実際の瞑想体験を含む心の側面に焦点を当てたいと願っておられる。一方、科学は脳画像化を実現する高度な技術を開発し、それによって脳機能が理解できるようになった。心と生命研究所は、人間の体験と意識に関する部分的な理解を超えた調査研究の開拓に大きな役割を果たしてきた。

法王の二つ目の目的は、科学がどのように人類に貢献できるかを見極めることであり、法王は、そのためには思いやりの動機を持つことが不可欠だと考えておられる。

ジンパ氏は、洞察は対話を通して生まれるという法王の根底にある信念、つまり真に洞察に満ちた発見に魅了されたと報告した。西洋では、学術会議はしばしば独白のようなものだと言う。科学者は論文を発表し、いくつかの質問に答え、席に着く。しかし心と生命の対話は、集団的な対話から明確な理解が生まれることを想定していて、人々が集団的に考え、共に声に出し、考えるための空間を創り出す。そしてこの対話の本質は他分野にわたっている。

ジンパ氏は、今年の対話のテーマが「心、人工知能(AI)、そして倫理」であったことを大変嬉しく思っていると述べた。なぜなら、人間がAIとどのように共存していくかは、現代を決定づける問いとなるからである。議論や討論の場が騒々しい声に支配されないようにするために、人類の知識の最も深くて最も多様なリソースを掘り下げなければならないとした。人類の未来が危機に瀕しているのである。

彼は、この関係において心と生命の対話の「魔法」がどのように展開していくのかを見るのが楽しみだと付け加えた。AIへの関心は認めつつ、研究にアクセスできないため、何が真実で何が誇大広告なのか確信が持てないと感じている。

対話は2時間ずつのセッションが6回にわたって行われた。4人の発表者によるパネルディスカッションには、以下のメンバーが集められた。ワシントン大学のエミリー・M・ベンダー氏、ジャンチュブ・チョーリン尼僧院のアニ・チョヤン氏、プリンストン大学のモリー・クロケット氏、ミシシッピ大学のロバート・カミングス氏、京都大学のマルク=アンリ・デロッシュ氏、グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)のジェイソン・ガブリエル氏、メンフィス大学のショーン・ギャラガー氏、米国の東西センター(East West Center)のピーター・ハーショック氏、AIデジタル政策センター(Center for Al and Digital Policy)のマーヴ・ヒコック氏、心と生命研究所理事長のトゥプテン・ジンパ氏、ギュト密教学堂のカンセル・リンポチェ、ハギング・フェイス(Hugging Face)のサーシャ・ルッチオーニ氏、パドヴァ大学のキアラ・マスカレッロ氏、エディンバラ大学のケイト・ネイブ氏、エルサレム・ヘブライ大学のアナト・ペリー氏、ガンデン僧院ジャンツェ学堂のゲシェ・ロドゥ・サンポ師、インペリアル・カレッジ・ロンドン、グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)のマレー・シャナハン、ブリュッセル大学のリュック・スティールズ、セラ僧院ジェ学堂のゲシェ・タブケ師、フローニンゲン大学のマリーケ・ファン・フォークトである。

各発表者による10分間のプレゼンテーションの後、パネリストによるディスカッションが行われた。その後、短い休憩を挟んでから、聴衆からの質問を受け付けた。

10月16日(木)午後の最終セッションでは、プログラム企画委員会メンバーであり発表者でもあるリュック・スティールズ氏が、会合の主要テーマを詳細にまとめた。まず、AIが人々の苦しみを軽減し、公平性と社会の調和を促進して地球上の繁栄を支える可能性について議論がなされた。次に、AIが健康と福祉、仕事、教育、政治、気候変動対策に及ぼすリスクについて考察がなされた。最後に、AIが有害な影響を回避して地球上の生きとし生けるものすべての幸福に資するために、人間はどのような倫理的資質を人工知能に注入すべきか、また注入できるかについて検討がなされた。

これらの主要テーマは5つのセッションに分かれおり、最初のセッションは哲学的観点からの心について、次はもつれを解きほぐすことと有意義な人間関係についてであった。3番目のセッションは集合的なナラティブ(物語)と将来の可能性について、続いて多様性と倫理に関するセッション、そして最後に教育に関するセッションであった。

これらのセッションから、4つの問いが提起された。1つ目は、AIは今現在何をしていて、私たちはAIを使って何ができるのか、という問いである。2つ目は、AIの活用が私たち自身や社会にどのような影響を与えるのかという点である。これらはAIの現状に関する問いである。しかし、発表者たちは未来にも関心を持っており、未来は人間によって創造できる、そして創造しなければならないという共通の認識があった。この会合は、AIが将来何を実現できるのか、そしてどのようにそこに到達するのかという方向性を定める重要な機会となった。

では、AIは今何をしているのだろうか?チャットボットの様々な例があったが、今回の会合では主に私たち人間に関わる応用に焦点が当てられた。他の多くの会議では、AIがデータサイエンスやデータ分析などで何ができるかが議論されてきた。今回のポイン トは、人間に関する話題に焦点を当てることであった。

いくつか警告があった。まず、大企業の広報部が作り出す誇大広告に惑わされすぎないことで、冷静さを保ち、AIに対して批判的な見方をすべきである。

ショーン・ギャラガー氏は、「チューリングテスト(人工知能が人間のように振る舞えるかを判別するテスト)の誤謬」とも言える点を指摘した。それは、何かをシミュレートすることと、実際にそうであることの間には大きな違いがあるということである。そのため、チャットボットが「あなたに同情します。」と言ったとしても、それは単なる言葉であり、そのシステムが思いやりを持っている、あるいは憐れみを感じていると騙されてはならない。

ジンパ氏は、言葉の使い方には注意が必要だと助言した。人間の場合に意味を成す言葉を、他の状況や存在に当てはめ始めると、危険な状況に陥る可能性がある。モリー・クロケット氏は、テクノロジーへの楽観主義や人間への悲観主義に囚われないようにすべきだと述べた。私たちは、このすべてにおいて人間の優位性を忘れてはならない。人間は現在の機械の能力をはるかに超えており、この状況は今後もしばらく続くだろう。

エミリー・ベンダー氏は、擬人化された AI については、私たちが見たものや言われたことをあまり深読みしすぎないよう、注意深くならなければならないと指摘した。

今、どのような影響があるのか、と問われれば、もちろんその影響は甚大であり、今後さらに拡大していくだろう。ジンパ氏は新たな現実の創造について語った。好むと好まざるとにかかわらず、私たちがその一部となる新たな現実は、AIが作り出す舞台で私たちがどれだけのことを演じる覚悟があるかにかかっている。特定のテキストの受信者や特定のチャットボットのユーザーなどが、自分が相手にしているのがAIであることに気づくと態度が変わるという指摘がある。この点に気をつけることが重要である。

発表者や聴衆の参加者は、AIが子供や若者に与える影響について特に懸念を示した。AIはすでに世の中にあるものの、それが精神発達にどのような影響を与えるのかは分かっていない。十分な研究が行われておらず、私たちは皆、モルモットのようなものである。私たちの子供や孫に関しては、さらに注意を払う必要がある。

サーシャ・ルッチオーニ氏は、もう一つの大きな問題である資源利用に注目した。誰もが省エネに努めている一方で、その努力を完全に無駄にする技術が開発されてしまったのである。

AIの将来像について、リュック・スティールズ氏は、よく耳にする言葉の一つは「思いやり」で、目指すべきものであると述べた。もう一つのキーワードは「責任」で、権力には責任が伴うからである。透明性の向上、価値観への配慮、そして教育者への影響力の拡大が不可欠であると合意された。ゲシェ・ロドゥ・サンポ師は、AIは回避するためではなく、繋がるために使うべきだと提言した。AIは愛することはできないが、より良い愛を育むのに役立つと述べた。AIは、対立ではなく、変化と内なる成長をもたらすために活用すべきである。このことを念頭に置けば、私たちは未来を共に創造することができるが、そのためには行動を起こさなければならない。

法王公邸にて「第39回心と生命の対話」の参加者と記念撮影をされるダライ・ラマ法王。2025年10月17日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

心と生命研究所と同研究所ヨーロッパ支部の発表者とゲストが今日、法王との接見に出席した際、法王は次のように話された。

「このような対話を時々行うことができたら、本当に素晴らしいことです。仏教の観点からも、このような対話を行うことは儀式などを行うよりも非常に有益です。状況が安定していれば、心と生命は未来に続いていくことができるでしょう」

「私自身、ラサにいた頃は哲学の伝統を学び、問いかける側、問いに答える側の両方の視点を取り入れて問答の練習をしていました。学ぶ時は、頭脳を使います。私も学んでいるときは頭脳を使っていました。もちろん、子供の頃は先生に罰せられるかもしれないという恐怖心もありました」

「科学者は、仏教の伝統に根ざした論理と認識論、そして批判的思考を活用でき、そこから恩恵を受けることができます」

「最近、毎朝目覚めると菩提心を育み、私を信頼してくれる人たちすべてのご多幸を祈っています。私の人生はすべて他者の幸福のために捧げています」

「私は僧衣を纏った宗教指導者ですが、講演ではよく科学を取り上げます。これは、私たちが行う批判的思考が科学的探究に匹敵するからです」

「私たちは母親から生まれた瞬間から経験を積み重ね、意識に根ざした感情を持っています。ですから、人生は心によって支えられているので、心のはたらきを理解することが重要なのです」

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2025年のノーベル平和賞受賞者を祝福 https://www.dalailamajapanese.com/news/20251011 Don Eisenberg https://www.dalailamajapanese.com/news/20251011 インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

ダライ・ラマ法王は本日、今年のノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャド氏に宛てて書簡を記され、ベネズエラ国民の民主的権利を推進するための断固とした取り組みと、平和で平等な社会の実現に向けた決意が高く評価されたことを祝福され、書簡の中で次のように述べられた。

「民主主義の発展に献身する中で、貴女は他者への奉仕において揺るぎない勇気を示されました」

「貴女の模範的行動は、民主主義と自由を守るために、私たちは声を上げる必要があるということを思い起こさせてくださいます」

「共通の目的のために人々を結びつける活動において、貴女は平和で調和した状態を実現できるという希望を体現されています」

法王は、祝福の祈りを捧げて書簡を締め括られた。

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