インド、ニューデリー
ダライ・ラマ法王は、インドの副大統領選の勝利を祝い、ベンカイア・ナイドゥ氏に書簡を送られた。
法王は書簡の中で次のように述べられた。
「私は豊かな文化を持ち、長年にわたって、寛容さ、慈悲、非暴力に基づく伝統を保ち続けてきた、このインドという国に対して深い親愛の気持ちを感じています。莫大な数の人口と多様な言語を包含しながら、多くの宗教と文化がこの地で花開き、インドは堅固に国家を維持し続けて来ました。これは、異なる伝統的宗教が、お互いを尊重しながら共存できることを世界に示す、よい模範です。私は行く先々で、多様さの統一が可能であることの生きたお手本としてインドを例に挙げ、そのことを誇りに感じています。それが可能であるのは、民主主義、法による支配、表現の自由、報道の自由といったことがインドにおいて尊重されているからに他なりません。多くの国がインドの指導力に期待を寄せていますので、これからもインド国家がその示唆に富んだ指導力を発揮し続けてくださるものと確信しています」
「私が亡命してから今年で58年目を迎えましたが、13万人以上のチベット人を受け入れ、歓待してくださっている寛大なインド政府と国民の皆さんに感謝しています。民主主義の信念を貫きながら、繁栄と発展を遂げているインド国家に対して私達も誇りを感じています」
法王は、今年2月に行われたヴィジャヤワダの女性国会で、次期副大統領に会われたことを思い起こされ、政治家としての長年の経験を持つベンカイア・ナイドゥ氏は、副大統領という重責を担うにふさわしい資質の持ち主である、と信頼の言葉を寄せられた。最後に、これから何が待ち受けていようと、氏が手腕を発揮して一つ一つの問題に取り組んでいかれるようにとの祈りの言葉を捧げられた。