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全日本仏教会議の会場で、聴衆に挨拶されるダライ・ラマ法王。2007年11月20日、神奈川県 パシフィコ横浜国立大ホール(撮影:テンジン・ダセル、Phayul.com)
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横浜
本日、平和と希望の使者、ダライ・ラマ法王の講演を拝聴しようと、およそ5000人がパシフィコ横浜国立大ホールに殺到した。その大半は日本人仏教徒であった。
今回の講演は、全日本仏教会(AJBF)の50周年と神奈川県仏教会(KBF)の40周年を記念して行なわれたもので、法王は、「信ずる心と平和」と題して基調講演を行なわれた。
法王は、ご自身の経験やチベット仏教の教えに基づいて、心が受け取るものと現実とのずれをいかにして少なくしていくか、そのようにすることで、いかにしてより平和な世界を築くことができるかについて語られた。
そして、世界中の多くの問題や危機的状況は、人間がつくり出したものであるのに、これを解決するための「現実的なアプローチ」が欠けている、と述べられた。
とりわけ、若者が精神的・情緒的に追い込まれている問題や、地球規模の環境破壊の悪化について言及され、「私たちが直面しているこのような問題は、人類が自らつくりだしたものであり、あるときは失敗が原因で、またあるときは怠慢や無知が原因で生まれました。」
「私たちは、心が受け取るものと現実とのずれを減らしていかなければなりません。このずれが少なければ少ないほど、より思慮深いアプローチができるようになり、問題の多くが減っていきます」と述べられた。
また法王は、貧富の格差の問題について、「日本やアメリカなど、先進国にも貧富の差はあります。これは道徳的に間違っているというだけの問題ではありません」と述べられた。
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