広島県 宮島(ツェリン・ツォモ記)
「多くの中国人は、ダライ·ラマ法王にチベットに戻ってきて欲しいと願っています。チベットはダライ・ラマ法王の家です。法王は在るべき場所に在るべきなのです」北京からやってきた54歳の中国人男性は匿名を条件にそう語った。
彼は、宮島・大聖院でのダライ・ラマ法王による法話に参加している中国人仏教徒の一人だ。
彼は過去に2回ほど法王の法話に参加しているが、35歳になる彼の妻は今回初めてダライ・ラマ法王の法話に参加したという。亡命チベット人ジャーナリストによる大聖院でのインタビューで彼女は言った。「私たちはダライ・ラマ法王がチベットに戻られるのを待っています。チベット人だけでなく、何万という中国人仏教徒が、法王の祝福を受け、法話を拝聴する事を望んでいるのです」
ダライ・ラマ法王が執筆した仏教書籍の閲覧・発刊等の禁止は、中国の多くの仏教徒に地下活動を強いる事になった。法王の教えを享受するためである。35歳のその女性は、財布の中にいつも持ち歩いているという法王の古い写真を見せながら言った。
「全てが密かに行われます。私たちは海外ツアー中に法王の本を買い、それをコピーし、ダライ・ラマ法王に本当に会いたいと願っている中国の仏教徒の間でそれを分かち合っているのです」