ノルブリンカ研究所ご訪問

2017年3月9日

インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州 ダラムサラ

チベットの芸術と文化の保存・発展を目的として設立されたノルブリンカ研究所は、創立21周年を記念して、ダライ・ラマ14世をはじめとする歴代ダライ・ラマ法王の人生を描いた伝統的な仏画(タンカ)25枚を制作し、本日ダライ・ラマ法王がこの仏画のシリーズをご覧になった。このプロジェクトはノルブリンカ初の仏画絵師テンバ・チョペル氏が始めたもので、完成までに約15年が費やされた大作である。

ノルブリンカ研究所で、歴代のダライ・ラマ法王が描かれた仏画を鑑賞されるダライ・ラマ法王。2017年3月9日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州 ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)
どの仏画も中央に現ダライ・ラマ法王をはじめとする歴代の法王が描かれ、四隅に本尊や守護尊が配されている。その間を埋めるのは、各法王の人生の象徴的な出来事を描いた極めて詳細な描写である。

敷地内の奥にある本堂に到着された法王は、本堂の中を時計回りにまわって仏画を鑑賞された。法王はこれらの仏画を気に入られた様子で、描かれた情景を差して声を上げて笑われることもあった。

やがて祈願文が読誦され、祝賀の伝統に従ってお茶と甘いご飯がふるまわれた。ノルブリンカ研究所の創立21周年記念祝賀会には、ゲストも職員も同様に招待されていた。同研究所の創立者ケルサン・イェシェ氏とキム・イェシェ氏をはじめとする役員たちが法王に敬意を表し、法王のご長寿を願う特別な祈願文が唱えられた。

ロブサン・センゲ主席大臣は11巻におよぶチベット文化百科事典を上梓したが、これはノルブリンカ研究所の文学研究部が行ってきた長年の研究の成果である。その後、研究所所長のデチェン・ナムギャル氏が年次報告書を読み上げ、同研究所の最近の功績と今後の展望について語った。


創立21周年記念式典でスピーチを行うケルサン・イェシェ元ノルブリンカ研究所所長。2017年3月9日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州 ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)
次に、20年以上にわたり理事を務めてきたサムドン・リンポチェや、研究所の創立者であり理事でもあったケルサン・イェシェ、キム・イェシェ両氏、10年、20年の長きにわたって研究所のために働いてきた職員たちなど、さまざまな人々に感謝の品が贈呈された。最後に、ノルブリンカの高等教育機関であるチベット文化アカデミーの第六期卒業生に対し、卒業証書が手渡された。

法王は次ように話を始められた。「この21年間、ノルブリンカ研究所はチベット文化を守るために素晴らしい功績を残してきました。これは、ケルサン・イェシェ氏とキム・イェシェ氏による価値ある貢献のおかげです」

「国を追われてからというもの、チベット人は独自の亡命者コミュニティを発展させてきました。私たちはチベット文化を守るばかりでなく、その文化を活かして世界の幸福に貢献する方法を見出したのです。ノルブリンカ研究所はその過程で常に重要な役割を担ってきました」

「チベットの歴史は浮き沈みの激しいものでした。チベット全体のことを考えず、人々が個人の伝統や宗教ばかり気にしていた時期もあります。しかし、シャーンタラクシタ(寂護)がもたらし、私たちが受け継いできた仏教の教えによって、チベット人はひとつにまとまることができました。ナーガールジュナ(龍樹)とシャーンタラクシタは苦しみの原因を探り、心を訓練し規制することによって苦しみに打ち勝つ方法を見出されました。つまり、論理と根拠に基づいて悪しき感情(煩悩)を制御する方法を見出したのです」


ノルブリンカ研究所創立21周年記念式典で、ダライ・ラマ法王のお話に聞き入る出席者たち。2017年3月9日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州 ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)
「ここノルブリンカの人々は、チベット文化の保護に貢献してきました。すでに申し上げたように、今まで力を尽くされた人々が亡くなられても、その仕事は若い世代が引き継いでいってくれます。改めて、これまでの皆さんのご尽力に感謝すると共に、今後もその努力を続けていただきたいと思います」

「私たちは亡命の地にありますが、チベットの文化を守っています。そうした取り組みの一端を担うのは、誇るべきことです。どうか皆さん、今後もチベットの文化を守り続けてください。私たちのこの状況を、資源を浪費して兵器開発にいそしんでいる国々と比べてみてください。私たちは生きとし生けるすべての生き物の幸福を祈っていますが、そうした国々を救うには具体的な対策を取る必要があります。私たちは人類という仲間のために働かなくてはなりません。私の話はこれで終わりです。ありがとうございました。タシデレ。(吉祥が訪れますように)」

祝賀会は『教法興隆祈願文』の読誦と共に終了した。法王はノルブリンカ研究所の寺院から法王公邸に戻られ、その後、残ったゲストには豪華な昼食がふるまわれた。
 

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